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☆番外編あらかると☆
第2章 恋の速さはallegro non troppo
「……美名ちゃん……付き合わせてゴメンね……送るよ……家はどこ?」
祐樹はそう言いながら、窓に映る、恐い顔で睨む美名と目があってギョッとして息を呑んだ。
震える唇を噛んで、頬も小刻みにピクピクして、鋭い眼光は祐樹を呪うかのように――
祐樹は内心ビビりながらとびきりの「王子スマイル」で振り返り、美名の頭を撫でる。
なんてったって、ファンに評判の王子の微笑みなのだ。今まで女の子のご機嫌を損ねた時は大概この笑顔で切り抜けてきた祐樹は、これで美名が許してくれるのを願ったが――そう簡単にはいきそうもなかった。
美名は祐樹の手を振り払い、そっぽをむく。
「さっきも聞きました……なんで私を連れてきたんですかっ」
その声色も怒りに満ちている。祐樹は懸命に柔らかい調子で答えた。王子の笑みも忘れずに。
「二人きりになりたかったからだよ」
「そ……そうやって女の子を騙して弄んで飽きたらポイッって捨てるんですね!」
「え……?な、何それ」
祐樹は、キレて叫ぶ美名の剣幕に押され、絶句する。

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