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☆番外編あらかると☆
第2章 恋の速さはallegro non troppo
「ふ……んっ」
息が苦しくて声を小さく漏らす美名を見て、祐樹は彼女を抱き締める力を弱め、首を少し傾げて呼吸が自由になるようにした。
だが唇は離さぬまま、舌の動きはそのままで、美名への甘い攻撃を止めようとしない。
彼の指は絶妙な力加減で美名を拘束している。逃げ出せそうで、抜け出せない。
――慣れてる……
ふと、美名の胸の奥にそんな思いが唐突に沸き上がると、嫉妬と悲しみに襲われる。
このキスで、彼は今までどれ程の女の子を夢中にしてきたのだろう?
彼が、他の女性を抱き締めて甘く囁く映像が瞼の裏に浮かび上がり、焼けるような熱さを感じた。
すると、祐樹は目を大きく見開いて唇を離し、呟いた。
「……そんなに……嫌だった?」
「え……っ?」
美名は目尻に触れ、自分が泣いている事に気付いた。

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