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Christmas adventure(改稿版)
第1章 サンタとペコリーヌが笑う夜




「あ、あの……離して……下さ……」

 ほなみが怯える目を向けると、綾波はふと顔を歪めた。

「そんなに……俺が怖いか」
「えっ――」

 綾波はほなみを壁に押し付け、ほなみの細い顎を掴み上を向かせた。
 眼鏡の奥の瞳が思いがけない程澄んでいる。
 ほなみは息が止まりそうになった。

「あ……綾波さ……私……皆のお手伝いをしないと……」
「行くな……」
「えっ……」

 綾波の瞳が揺れて、顔が近付いて来て唇が触れそうになった時――

「お――い、綾波!浜田さんが呼んでるぞ!」

 ライヴホールの入り口で叫ぶ西本の声がして、綾波の動きが止まった。
 彼は、溜め息をひとつ付き、ほなみから離れる。
 ほなみは、へなへなと崩れ座り込んでしまった。
 綾波はほなみを振り返り
「……後でな」
 と言い残し、颯爽とした足取りで去って行く。
 西本と綾波の間に静かな蒼い火花が散った。


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