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スローバラードを君に
第5章 恋人の逢瀬
「しょう君っ……待っ」
「待てないよ」
俺は美名の靴も脱がしてやらないまま、抱き締めてキスをした。
「んっ……」
小さな拳が胸を一生懸命叩いて居る。
その手をギュッと掴むと、次第に力が抜けて行き、美名は抵抗を止めた。
唇を離すと、頬を真っ赤にしながらチェック柄の紙袋を押し付けて来た。
「服を返しに来ただけなの!」
怒ったように頬を膨らましている。
「ああ、ありがとう……わざわざアイロンかけてくれたんだね」
美名は身体を起こして、腕の中からすり抜けて、床に落ちたバッグを手に出て行こうとするが、中身をぶちまけてしまう。

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