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スローバラードを君に
第5章 恋人の逢瀬
部屋の前に、人影が見えて目を凝らし、美名だと分かった時には駆け出していた。
美名は俺に気が付くと、笑って手を振る。
俺は思わず時計を見た。
一体いつから此処で待っていたのだろうか。
もう暗くなる時間なのに。
駆け寄ろうとしてつまづきそうになり、美名が手を差し出してきた。
「大丈夫?」
その手を取り、引き寄せて抱き締めてしまう。
フワリと髪の甘い薫りがした。
「し……しょう君っ」
「美名……」
更に力を込めて抱き締めると、小さな悲鳴を上げている。
体の柔らかさも、髪の感触もその声も愛しくてたまらなくなり、美名を抱き上げると片手で鍵を開けて、強引に部屋のベッドへ倒した。

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