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スローバラードを君に
第2章 first love は突然に
呆気に取られていると、手を引っ張って彼女は走り出す。
「すいません……ありがとうございました……!
また……歌いに来ますね……よろしく……」
演奏を聴いてくれた周りの人に手を振りながら歩道橋の階段を登るが、すぐに小さな肩が激しく上下する。
「はぁ……っ」
息を切らしへたり込む彼女を覗き込むと、強く輝く瞳が訴える様に見つめている。
「私……追いかけるから……先に行って!早く!」
「……」
「ステージが用意されてるなら、立たなきゃダメよ!貴方はミュージシャンでしょ!」
その言葉に、霞が晴れていく様に迷いが無くなる。
本当にやりたい音楽と、今自分に出来る事に余りにも開きがあって、演奏をしていても楽しいと感じる事が無くなってきた矢先に彼女と出会ったのだ。
確かに、さっき彼女の歌を聴いた時、そして俺が演奏した時、身体中が感激で震えていた。

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