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スローバラードを君に
第6章 蜜月
その時、強い風が吹いて楡の葉と、銀杏の葉が舞い二人の周りに降り注いだ。
美名は風が邪魔そうに手を頭上に翳したが、フワリと靡いた髪に黄色い葉が刺さると、俺は唇でその葉を取ってやった。
その瞬間、二人の空間だけ時間が止まったかの様に思えた。
美名と俺の視線がぶつかり、美名の瞳はみるみる内に甘く蕩けて行く。
その唇は何か言いたげな、そして何かを待っているかの様に半開きになる。
吸い寄せられるまま、俺は美名に口づけた。
「んん……」
美名も首に腕を絡ませ、俺に応えてくる。
「――次はボクが鬼だよ――!
みんな隠れてね――!
いち、に、さん、し――っ」
公園の中を飛び回る子供達の声に二人は我に返る。
俺は美名をそっと降ろすと、楡の木の蔭でもう一度キスをした。
「……」
唇を離すと、真っ赤になった美名は俯いてしまう。
俺は頭をクシャリとすると、耳元で囁いた。
「俺は、ずっと、美名だけだよ……」

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