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恋のたまご、割るのはダレ?
第4章 嵐を呼ぶニューフェイス
「……っ……っ……大丈夫かしら……右よし……左よし……後ろよし……前よし……足元よーし!」
ゆうみはバッグを抱えて玄関のドアを五センチ程開けて、目を細めてブツブツ呟くが、後ろから勇子に踵を軽く掃除機でつつかれ驚き絶叫した。
飛び退きながらドアを開けて勇子を振り返り抗議するように睨むが、逆に掃除機で追い立てられる。
「何をワケわかんない呪文唱えてるのよっ!ほらほら、今朝は早く行かないとなんでしょ?とっとと出なさい!」
「じゅ、呪文違うし!安全確認なのっ」
「はあ?……そんなのは、普通外でやるでしょ?」
「……家の側でも危険が潜んでるのっ!どっかに刺客が吹き矢持って隠れてるかも」
「あんたねえ……妄想が今度は別の方向へ飛んでるわけ?スパイ映画でも見たの?」
ゆうみは隣から貴也が出てこないだろうか、と様子を伺っていたのだ。
奴と出くわすのをなんとしても避けたいゆうみは、家を出るタイミングを見計らっていた。
まあ、同じ会社なので絶対に会ってしまうが――一秒でも長く奴との対面を引き伸ばしたかった。

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