この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋のたまご、割るのはダレ?
第10章 ヒロインを助けるのは、ダレ?
「さっ……サラッと“静かに”とかテメエ言うけどなあ!生まれて初めて男にキスされた俺のショックを考えてみろ――っ!」
「ちょっと今は黙って、たかぴー、そのトカゲ捕まえて!」
玉子の声には、今まであった余裕が無くなっている。貴也はハッとして辺りを見回し、先程のトカゲを追いかけるが、ノロノロとはい回っていた筈のトカゲは動くスピードを増し、徐々に大きくなっているように見えた。
縦横無尽に飛び回るトカゲを追いながら、貴也は目の錯覚なのか、と瞬きを何度もした。
「なにいっ?何でこんなに大きく見えるんだよ?いわゆる遠近法っていうやつかよ!」
「違うよ!本当に大きくなってる!」
玉子が両手を交差させると、掌から目映い白い光が放たれて、ゆうみの身体を照らした。
すると、ゆうみの目がカッと開いた。
「ゆ……ゆうみ――!起きたかっ!だ……大丈夫だからなっ!俺が……俺が助けてやるからっ」
貴也が叫ぶと、トカゲは突然動きを止め、ゆっくりと振り返って貴也の方へと向かって走って来た。
「ぎゃっ!こっち来んな――!」
トカゲは今や貴也と同じ大きさになり、大きく開かれた口からは牙がのぞいていて、貴也はギョッとする。
「たかぴー、絶対に捕まるな!喰われる」
「言われなくても!」
貴也は上着のポケットから出したボールペンを、飛びかかってくるトカゲに向かって投げつけた。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


