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恋のたまご、割るのはダレ?
第10章 ヒロインを助けるのは、ダレ?


「さっ……サラッと“静かに”とかテメエ言うけどなあ!生まれて初めて男にキスされた俺のショックを考えてみろ――っ!」

「ちょっと今は黙って、たかぴー、そのトカゲ捕まえて!」



 玉子の声には、今まであった余裕が無くなっている。貴也はハッとして辺りを見回し、先程のトカゲを追いかけるが、ノロノロとはい回っていた筈のトカゲは動くスピードを増し、徐々に大きくなっているように見えた。

 縦横無尽に飛び回るトカゲを追いながら、貴也は目の錯覚なのか、と瞬きを何度もした。


「なにいっ?何でこんなに大きく見えるんだよ?いわゆる遠近法っていうやつかよ!」

「違うよ!本当に大きくなってる!」



 玉子が両手を交差させると、掌から目映い白い光が放たれて、ゆうみの身体を照らした。

 すると、ゆうみの目がカッと開いた。



「ゆ……ゆうみ――!起きたかっ!だ……大丈夫だからなっ!俺が……俺が助けてやるからっ」

 
 
 貴也が叫ぶと、トカゲは突然動きを止め、ゆっくりと振り返って貴也の方へと向かって走って来た。



「ぎゃっ!こっち来んな――!」



 トカゲは今や貴也と同じ大きさになり、大きく開かれた口からは牙がのぞいていて、貴也はギョッとする。




「たかぴー、絶対に捕まるな!喰われる」

「言われなくても!」




 貴也は上着のポケットから出したボールペンを、飛びかかってくるトカゲに向かって投げつけた。

 



 
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