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恋のたまご、割るのはダレ?
第10章 ヒロインを助けるのは、ダレ?
「な……なんだよ……まだ閉め出される時間じゃないよな?停電かっ?」
貴也はいつも非常事態に備え(何の非常事態かわからないが、子供の頃から用意周到で用心深いのだ)ミニペンライトを持ち歩いている。ズボンのポケットからライトを取り出し、スイッチを入れ部屋の中を照らすと、信じがたい光景がそこにあった。
「ちょ……な……なんだよこれっ」
ゆうみが床と天井の間の空間にゆらゆらと漂っていた――つまり、宙に浮いている。
「ゆうみっ」
思わず駆け寄ろうとする貴也の前に玉子が割って入り目を細め、低く言った。
「――何か、厄介な物がゆうみにくっついちゃったみたいだね……」
「な……どういう事だよ!」
目の前に起こっている事が現実か夢か覚束なくなった貴也は、試しに自分の股間をぶん殴ってみた――
――何故に顔じゃなくソレなの、と玉子も突っ込みたくなったが、玉子が口を開く前に貴也の断末魔の絶叫が会社じゅうに響き渡り、同時に何処からともなく砂を含んだ竜巻が幾つも起こり、二人は天井まで巻き上げられた。

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