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恋のたまご、割るのはダレ?
第9章 貴也参上――!ってばよ!
「ああ――っむかつくっ……
大体お前、何でそんなにアニメキャラみたいにキラキラしてるんだよ――!!
ゆうみの理想そのものじゃんか……っ!!っか――っ!」
貴也は玉子を改めて上から下まで眺め、溜め息と言うには力強い息を吐いた。
そう、ゆうみが中学の屋上で、正に血眼になり呪文を唱えて召喚しようとしていた金髪碧眼の王子。
粉だらけ、涙と洟でグッチャグチャのデッロデロになったゆうみ。
グチャグチャのでろでろになりながらも、ゆうみは必死に王子を呼ぼうとしていた。
幼い頃から大好きだった女の子のそんな姿を見て堪らなくなった。
あの時、貴也はゆうみに告白したのだ。
自分の気持ちを伝えた。筈だ。
泣きじゃくりぶるぶる震えるゆうみに、『そんなに不安がらなくても大丈夫だ、俺がいつも居るから』と言ってやりたくて、でも上手く言えず、ゆうみにキスした。
あのぐしゃぐしゃな状態のゆうみにキスした瞬間、貴也の顔も同じようにぐしゃぐしゃになった。
まるで身体を張って笑いを取る芸人のように、髪にも眉にも白い粉がこびりつき、唇にはでろん、と玉状になった塊がぶら下がっていた。
――そこまで身体を張ったのだ。恋の為に俺は!!
なのにっ……なのに……ゆうみのアホ!
すっかりあの夜の事を忘れてるみたいだしっ……チキショ――!!

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