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恋のたまご、割るのはダレ?
第9章 貴也参上――!ってばよ!
「……眠っている隙に抱いたら……ゆうみは怒るだろうね……」
ゆうみの、女性と言うよりは幼子のように柔い頬を指で撫で、玉子は呟く。
そう、きっとカンカンになって激怒する。
本当に殺されかけるかも知れないし。いや、確実に半殺しにはされるだろう。
――いや、ひょっとしたら、泣くかも知れない。
その可能性が頭を掠め、ゆうみの泣き顔が一瞬過る。
そう、自分はゆうみを長い間ずっと見詰めてきた。
遠くから、彼女が少女から大人に変わっていくのを、眩しく思いながら。
ゆうみが僕に気づいてくれさえすれば、思い出してくれたら、僕は直ぐに君の元へと飛んでいくのに――と思っていた。
彼女が笑ったり怒ったり悲しんで泣いたりするのを、手出しできないほど遠い場所から見ているしかなかった自分。
大好きなアニメが突然打ち切りになり、ショックで号泣したゆうみ。
ギャル系のクラスメイトに『オタッキーが伝染るから、もう学校へ来るな』と言われ、反論出来ずに一人校舎の裏で泣いたゆうみ。
色んな事で泣く君を見る度に、どんなに自分も辛かったか。

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