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恋のたまご、割るのはダレ?
第8章 貴也参上!
「部長、今日はもう帰ります」
そわそわと帰り支度をする貴也を見て、黒崎は目を細め手を振った。
「はい、お疲れ~」
「お疲れさまで――す」
他の営業マンも挨拶する。
上着を翻し貴也が出ていくと、黒崎は壁に貼ってあるグラフの貴也の所に売上の線を足して、赤い花を貼り付けた。
天井まではみ出したグラフを頷きながら眺める黒崎だったが、ソファで眠る桜林を見て肩を竦める。
「さて、このお嬢さんを運んであげなくちゃだねえ」
「――自分が運びます!!」
若い営業が立候補したが、回りの男達も目の色を変えて次々と手を挙げる。
「いや、わたくしが桜林さんをお姫様抱っこで家まで送り届けます!!」
「いや僕が」
「わたくしが!!」
「ぎゃあああ――」
「うわああああ――俺があああ」
「ぐわあああああ」
あれよあれよ、という間に乱闘が始まり、そんな中黒崎はグラフを見詰めながら呟いた。
「玉子君は強敵だよ……萩原くん」

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