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sunset~君の光になりたい
第82章 sunset~君の光になりたい
砂川の指がつつ、とヒロの右腕に触れ、古傷を探してさまよう。
彼の指が移動する度、小さな虫が這う様な映像が瞼の裏に浮かび、おぞましさに震えた。
ーーやめろ……離れてくれ……!俺に触れるな……!
カラカラに乾いた喉の奥から絞り出す様に声を上げると、腕の中に柔らかく心地好い感触の何かが飛び込んできた。
「ヒロさん……ヒロさん、大丈夫?」
泣きそうな、だがしっかりとした呼び声に、暖かく優しい記憶が呼び覚まされていく。
千波のはにかむ笑顔。握った小さな手がヒロの掌にすっぽり収まって、たまらなくいとおしく思ったこと。初めて抱き締めた、あの夜の事。華奢な指に結んだ風船が風に揺れていた事ーー
「……千波……」
砂川はもう何処にも居ない。ヒロの腕の中には千波が居て、直向きな眼差しを向けていた。

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