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sunset~君の光になりたい
第39章 セピアの記憶③
次の日、空手の胴着に着替えた里沙は道場へ向かっていた。
すると、玄関先を菷で掃いていたおばさんに声をかけられ足を止めた。
「里沙ちゃん、こんにちは。今から空手?」
――誰のお母さんだっけ?と思いながら挨拶した。
「偉いわねえ。けど気をつけるのよ?
変質者がこの辺に出るから注意しましょうって回覧が廻ってきたばかりよ?」
「ヘンシツシャ?」
「女の子が一人で遊んだり出歩いたりしてると危ないからね。
これから里沙ちゃんも、空手に行く時もお母さんに送ってもらったほうがいいわよ」
胸がどくんと嫌な音を立てた。
いつか、ずぶ濡れになって佇んでいた千波。
何があったのか、何も言わなかったけれどあれは一体何だったのだろう?
今日も千波はチューリップ公園にいる筈だ。
りゅうのバカは最近は公園に寄り付かないから今頃一人で……
何とも言えない黒いざわめきが胸に広がる。
カラスが突然大きな声で鳴き、里沙はびくりとした。
「里沙ちゃん?どうしたの?大丈夫?」
気がつけば、おばさんが心配そうに見詰めていた。
「失礼します」
頭を下げ、道場へではなくチューリップ公園へ向かって走った。

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