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sunset~君の光になりたい
第32章 甘い、夜②
「ああ……また泣かせちまった。違う、違うんや……」

 愛おしくて堪らない気持ちで再び抱き締めるが、千波は涙を浮かべる。

「私が初めてじゃなかったから……?汚れてるから?」
「阿呆、ちゃうわ!それ言ったら俺やって初めてやないで。つまり、俺は汚れまくりってことやん!」

 軽い調子で千波の頭を小突いた。すると、彼女の両目からますます大量の涙が溢れ、ヒロは面食らってしまう。

「なっ……なんで泣くんや!ここは笑うとこやで!」

 狼狽えていたら、千波に胸を拳で思い切り叩かれた。

「うおっ……い、いいパンチ……」

 千波は下を向いたままヒロの胸を叩き続ける。

「いてててて!真面目に痛いぞ!本気で殴ってるやろ!」

 ヒロは、彼女の腕を掴みその顔を見てハッとした。
 くしゃくしゃに崩れた顔は切なげにヒロを見詰め、唇は何かを求めるように震える。
 説明しようのない色香を感じ、息を呑んだ。

「ヒロさんが……誰か他の人を抱き締めたなんて事……知りたくないっ!ヒロさんのバカ!」

 千波は、一気にそう云うと抱き着いてきた。
 ヒロは、嬉しさと愛しさが込み上げ顔が笑ってきてしまう。



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