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sunset~君の光になりたい
第28章 溶けた夢は


『明日の給食チーズだけど嫌いだから、里沙かりゅうくんにあげるね』
『今日の先生のお説教、長かったね』とか。
 だいたいは、千波が何か書き残していた。
 千波の両親は、彼女がもの心ついた頃から仲が悪い。千波の前で毎日喧嘩をしていたらしい。
 学校では明るく振る舞ってはいたが、寂しさから毎日こんな手紙を残していたのかもしれない。
 缶の中には小さな紙が入っていた。
 走り書きのような乱れた字だった。

 ーーたすけてーー

「千波……!」

 手紙を掴み、公園を走り抜け助けを求めようと、大人の姿を探した。
 叫ぼうとしても喉が押し潰されたように声を出す事ができない。

 ――助けて……誰か……!

 周辺の民家を片っ端からチャイムを押して回るが、どの家も返事がない。
 あちこち走り回るが誰も歩いていなかった。

(千波……ゴメンね……私がもし一緒にいたなら、こんな目に遭わなかったかもしれないのに!)

 幼い里沙は、絶望的な気持ちで暗くなり始めた空を仰いだ。


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