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sunset~君の光になりたい
第28章 溶けた夢は
夕暮れの公園。紅い陽射しが建物から反射して眩しい。千波の澄んだアルトの歌声が公園のどこからか聞こえてくる。
「千波?どこ?」
空手の胴着姿の里沙は、千波を探す。
(あれっー?何故、空手の胴着なんて?)
……そうだ。
幼稚園の頃から、空手の道場に通っていた。
毎週木曜が稽古の日。
学校が終わると、お天気が雨以外の日や空手の日以外はだいたい、千波や龍之介と、いつもの"チューリップ公園"で遊んでいた。
どうしても千波に伝えたい事があって、一度だけ、空手に行く前に公園に寄った事がある。
時間を気にしながら、千波を探す。
あの時千波が歌っていたのは……何かの童謡だった気がする。
木陰、滑り台の裏、大きなコンクリートの山のトンネルの中を探すが姿はない。
胸の中に不安が沸き上がり、ある考えが思い浮かんだ。
植え込みの中を掻き分け身を屈めて、ある物を探す。
葉っぱの中に埋もれたピンクの小さな缶を見つけると震える手で蓋を開けた。
当時、ピンクの缶にはいつも三人だけの連絡事項の手紙を入れるようにしてあった。
大体たわいもない伝言だったが。

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