この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
迎春花が咲く
第4章 近づく不穏
部屋の全てのガラスが割れた。そのあとも壁や床に向かって木製の椅子を叩き付けていたから木の破片も混じる。
部屋から出て避難してもよかったのだろうか。それとも声をかけた方が良かったのだろうか。ますますどうしていいのか分からなかくなった。でも何かをすることをするほど私の心に余裕はなかった。
光春さまは茫然と立ち尽くしていた。夕日が逆光になっていてその表情は暗くて見づらかったが見てるこちらが不安になるくらい無表情だった。破壊という行為をした彼の左腕からは血が垂れていた。
……手当てをしなければ。
この状況でどうしたらいいのか分からず不安と恐怖でいっぱいだった心にその思いだけは綺麗に見えた。それはまるで暗闇の中に射した一筋の光のようだった。
初夜を済ませていないことなど怒られてもこのような状況になってしまえば仕方ない。むしろ遂行する方がどうかしているしそもそも他人に口出しされるのはおかしいだろう。
そう思うと気が楽になった。
私は光春さまに近づいた。すると光春さまもゆらりと動いて私を見る。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


