この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
迎春花が咲く
第4章 近づく不穏
「……素一郎様!? 何をなさっていらっしゃるのですか?」
ふとそんな声が部屋の扉の向こうからして廊下が騒がしくなった。女の人のすごく焦っている声と穏やかな男の人の声と怒気を孕んだ男の人の声。
……晶さんと伊野さんだ。
そう思ったのと同時に扉が開かれる。やっぱり晶さんだった。
「志津恵さま!? ……ぼっちゃん何をしているの!?」
あとから伊野さんも入ってきて伊野さんがあの人を引き剥がし、晶さんが私の肩を持ってくれた。
……あぁ。私は。助けられたのか。
そう思うと同時に視界が暗くなっていく。ゆっくりと、ゆっくりと。
「志津恵さま……!? 志津恵さま―――」
視界は真っ暗になって音だけが聞こえる。けれどその音もどんどん遠ざかって行った。
「どうしてこんなこと……」
そういった晶さんの声だけが耳に残り私は意識を飛ばした―――

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


