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迎春花が咲く
第4章 近づく不穏
「……たった今、当主様が突然ご来訪なさいまして……」
歯切れの悪い言い方だった。
当主様、という言葉に志津恵は困惑する。一体それは誰なのか。当主というからには目上の方というのは分かるがそれ以外は全く分からない。
「当主様というのは……?」
「当主様は光春様のお父上、素一郎様のことです。何の連絡もなかったはずですが……」
素一郎という言葉に更に驚きを覚えた。さきほどの小説の義父の名前も素一郎だったのだ。素一郎などそんなにありきたりな名前ではない。……たまたまなのだろうか。
「志津恵さま…?」
「え? あ、はい」
「……ですので素一郎様が志津恵さまをお呼びです。応接室にお向かいください」
志津恵は眉をひそめた。宮子さんは今までに見せたこともないくらいひどく暗い顔をしていた。

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