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迎春花が咲く
第4章 近づく不穏
光春はそういうと女たちの心配をよそに彼は立ち上がる。
まだ青白いがさきほどより顔色は良くなっていた。冷や汗もかいていないようだ。

「……坊ちゃん本当に大丈夫ですか?」
「あぁ」
「私が付き添います。ですから晶さんはおくつろぎください。何かありましたら宮子さんに……」
「……じゃあお願いね」

晶さん、と呼ばれた女性がそういうと崎枝さんと彼は屋敷の方へ歩いて行った。
ひと段落した、と言うべきなのだろうか。息をつくと晶さんと目が合う。
だが目をそらされ、頬に手をあてた。

「……どうしましょう」
「え?」
「もう初めてお会いするのにお見苦しいところを見せてしまって恥ずかしい……」
「でも人が倒れているという一大事でしたから…仕方ないです」

私がそういうと晶さんはちょっと恥ずかしそうに笑った。

「なんてお優しい奥方様。…初めまして私はこの屋敷の女中頭をしております晶、と申します。どうぞよろしくお願いいたします志津恵さま」

そう言って晶さんは恭しくお辞儀をした。
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