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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第27章 春奈〜夫に依頼されたデート

「素敵な街ですね」
ランチを終えた二人は、路面電車に乗って観光スポットを巡った。
異国情緒溢れるこの街の風景は、東京から来た若者には随分刺激的なようだ。
「観る場所がたくさんあるから、迷っちゃうわね」
「春奈さん、課長とこんな風によくデートしたんですか?」
石畳が続くなだらかな坂道を歩きながら、彼はさりげなく人妻に聞いた。
夫とのデート。
それはもう、随分遠い過去の出来事のような気がする。
「結婚前はこんな風なこともしたけど、でも・・・」
「でも?」
彼の視線を感じるだけで、春奈はどこか恥ずかしく、鼓動を高鳴らせてしまう。
お昼前、彼に初めて会った時からずっとそうなのだ。
夫とデートしたときには、こんなこと一度だって・・・。
「私、こんな風にときめかなかったわ、主人とデートしたときには」
少女のような科白を口にしてしまった自分に、春奈はおかしそうに笑った。
「やだわ、私、ときめくだなんて・・・」
「今、ときめいてるんですか?」
若者もまた笑いながら、美しい人妻をからかうように言葉を重ねる。
「それは、まあ・・・、だって、ねえ、誠也くんみたいなハンサムな・・・」
「可愛いですね、春奈さんって」
「もう・・・、駄目よ、年上の人妻をいじめちゃ」
「もっといじめたいな」
「へえ、どんな風に?」
初夏の陽光が、午後の街を歩く二人を祝福するように、上空から注いでいる。
教会でステンドグラスを見上げたり、あるいは、小さな橋の真ん中で川面を見つめたり。
そんな時、二人の腕が何度か触れ合う瞬間があった。
彼の肌の感触を度々感じながら、春奈は少しずつ妖しげな昂りに包まれていく。
「寂しくないんですか?」
「えっ?」
港に向かう路面電車の中、彼が口にした質問に人妻は言葉を詰まらせる。
「課長と1年近く離れ離れで」
窓の外、近づく海の気配を感じながら、春奈は夫と離れて暮らす1年のことを想った。
一人だけのベッドで眠る夜が続いている。
乾き切った体が何かを激しく望んでいることに、私はずっと気付かぬふりをしているのかもしれない。
いけない、何を考えているの、私・・・。
そのとき、路面電車が揺れ、春奈は隣に立つ彼に思わずしがみついた。
「春奈さん、大丈夫?」
伸ばされた彼の腕に、人妻は抗うことなく、素直に抱き寄せられた。
ランチを終えた二人は、路面電車に乗って観光スポットを巡った。
異国情緒溢れるこの街の風景は、東京から来た若者には随分刺激的なようだ。
「観る場所がたくさんあるから、迷っちゃうわね」
「春奈さん、課長とこんな風によくデートしたんですか?」
石畳が続くなだらかな坂道を歩きながら、彼はさりげなく人妻に聞いた。
夫とのデート。
それはもう、随分遠い過去の出来事のような気がする。
「結婚前はこんな風なこともしたけど、でも・・・」
「でも?」
彼の視線を感じるだけで、春奈はどこか恥ずかしく、鼓動を高鳴らせてしまう。
お昼前、彼に初めて会った時からずっとそうなのだ。
夫とデートしたときには、こんなこと一度だって・・・。
「私、こんな風にときめかなかったわ、主人とデートしたときには」
少女のような科白を口にしてしまった自分に、春奈はおかしそうに笑った。
「やだわ、私、ときめくだなんて・・・」
「今、ときめいてるんですか?」
若者もまた笑いながら、美しい人妻をからかうように言葉を重ねる。
「それは、まあ・・・、だって、ねえ、誠也くんみたいなハンサムな・・・」
「可愛いですね、春奈さんって」
「もう・・・、駄目よ、年上の人妻をいじめちゃ」
「もっといじめたいな」
「へえ、どんな風に?」
初夏の陽光が、午後の街を歩く二人を祝福するように、上空から注いでいる。
教会でステンドグラスを見上げたり、あるいは、小さな橋の真ん中で川面を見つめたり。
そんな時、二人の腕が何度か触れ合う瞬間があった。
彼の肌の感触を度々感じながら、春奈は少しずつ妖しげな昂りに包まれていく。
「寂しくないんですか?」
「えっ?」
港に向かう路面電車の中、彼が口にした質問に人妻は言葉を詰まらせる。
「課長と1年近く離れ離れで」
窓の外、近づく海の気配を感じながら、春奈は夫と離れて暮らす1年のことを想った。
一人だけのベッドで眠る夜が続いている。
乾き切った体が何かを激しく望んでいることに、私はずっと気付かぬふりをしているのかもしれない。
いけない、何を考えているの、私・・・。
そのとき、路面電車が揺れ、春奈は隣に立つ彼に思わずしがみついた。
「春奈さん、大丈夫?」
伸ばされた彼の腕に、人妻は抗うことなく、素直に抱き寄せられた。

