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姉枕
第1章 東京……十八歳
ここでも僕は東京のすごさを見せつけられた。宇宙空間を彷彿させる館内には、レーザービームのような光線があちこちに飛び交い、重低音の効いたベースミュージックが鳴り響いていた。そして、SFの世界に出てきそうなアトラクションの数々。それらは全部、田舎者の僕の体がこれまで受け付けたことのない刺激で、めちゃくちゃ辛いカレーを食べてしまったときみたいに、目がくらくらした。細胞までビックリしているみたいだ。
「大丈夫?」
あっけに取られている僕に気づいて、姉さんが心配そうに声をかけてきた。そっと体を寄せて、僕にだけ聞こえるように耳元に口を近づけてきた。そうしないと、大勢の人々の笑い声や歓声がうるさすぎて、聞こえないからだ。
「うん。すごいね、ここ」
僕もマネして、姉さんの耳元で囁いた。姉さんの耳元、正確には綺麗なストレートヘアから、あの桃のような香りがした。姉さんの匂いのもとは、シャンプーの残り香なんだと知った。
「ね! はる、こういうところに来たのは初めてやろ?」
「うん。遊園地みたい。遊園地、行ったことないけど」
「私もや」
一緒にいたずらをしたみたいに、姉さんがにぃと白い歯を見せて笑う。なぜこの年になるまで遊園地で遊んだことがないのか、その理由もお互い同じだから、わざわざ口にする必要もなかった。僕と姉さんしか知らないことだ。
「いろいろ見て、回ろうよ」
姉さんは冒険者みたいでもあった。いつのまにか、館内のMAPが書かれたパンフレットも手に入れていて、それを片手に、宝物でも探すようにあちこちを見渡しながら歩きはじめた。ふたたび、僕もあとをついていく。
とはいえアトラクションはどれも人気で、ほとんど並ばないといけなかった。並ぶということに慣れていない僕は、その中にまぎれることにも若干の恐怖があった。「これ、やってみない?」と姉さんが提案してきても、「人が多い」といってそっぽ向いてしまっていた。
「大丈夫?」
あっけに取られている僕に気づいて、姉さんが心配そうに声をかけてきた。そっと体を寄せて、僕にだけ聞こえるように耳元に口を近づけてきた。そうしないと、大勢の人々の笑い声や歓声がうるさすぎて、聞こえないからだ。
「うん。すごいね、ここ」
僕もマネして、姉さんの耳元で囁いた。姉さんの耳元、正確には綺麗なストレートヘアから、あの桃のような香りがした。姉さんの匂いのもとは、シャンプーの残り香なんだと知った。
「ね! はる、こういうところに来たのは初めてやろ?」
「うん。遊園地みたい。遊園地、行ったことないけど」
「私もや」
一緒にいたずらをしたみたいに、姉さんがにぃと白い歯を見せて笑う。なぜこの年になるまで遊園地で遊んだことがないのか、その理由もお互い同じだから、わざわざ口にする必要もなかった。僕と姉さんしか知らないことだ。
「いろいろ見て、回ろうよ」
姉さんは冒険者みたいでもあった。いつのまにか、館内のMAPが書かれたパンフレットも手に入れていて、それを片手に、宝物でも探すようにあちこちを見渡しながら歩きはじめた。ふたたび、僕もあとをついていく。
とはいえアトラクションはどれも人気で、ほとんど並ばないといけなかった。並ぶということに慣れていない僕は、その中にまぎれることにも若干の恐怖があった。「これ、やってみない?」と姉さんが提案してきても、「人が多い」といってそっぽ向いてしまっていた。

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