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姉枕
第1章 東京……十八歳
 部屋がふたたび、真っ暗になった。
「うん。姉さんに話せて良かったわ。ちょっと安心した」
「そう……じゃあ、おやすみ」
 掛け布団の中で、姉さんが僕に体を寄せて、そっと手も握ってきた。母さんがいない夜は、いつもこうやって裸で抱き合って寝ていたものだ。つまり、ほぼ毎晩であった。
「姉さん……まだ寝ないでよ」
 手を強く握り返して、僕は駄々をこねるように揺さぶった。
「……」
 姉さんは目を閉じて、寝たふりを決め込む。こういうところが意地悪で、やっぱり、ずるい。
「……ねえ……もう一回、したい」
 結局、僕のほうからお願いすることになるのだ。
「……だと思った」
 姉さんは、パッチリと目を開けて、にっと口角を上げていた。


【第一章】おわり
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