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姉枕
第1章 東京……十八歳
いよいよレインボーブリッジにさしかかり、僕の興奮は最高潮に達した。東京はごみごみした街といったイメージだったが、ここはまさに近未来の景色だった。
レインボーブリッジは西洋の神殿を彷彿させるような白い建築物で、その周りを海の中からそびえたつようにビル群が並んでいた。
しばし僕は言葉を失い、姉さんに感動を伝えることもできなかった。ようやく出た言葉が、ガッカリしているわけでもないのに「虹色じゃないんだ」だった。
「アハハ。夜になったら、ライトアップされて、虹みたいになるんやで」
「そうなんや」
「レインボーブリッジのライトアップ、東京タワーから見えるから、東京タワーは夜に登ろうか」
「うん!」
やっぱり姉さんはなんでも知っているなぁ。
見た目や雰囲気はこの一年で変わっていたけど、こうやっていろいろ教えてくれる姉さんは昔のままで──僕はレインボーブリッジに向けていた視線を、姉さんの小さなバッグが置かれた膝の上に合わせていた。
レインボーブリッジを渡り終えると、タクシーは広々としたまっすぐな道が続く湾岸通りに入った。
長方形の、倉庫のような建物がやたら多く、ところどころに少年野球ならできそうな空き地もあった。恐竜の首のようなクレーン車が、ビルを建設しているところもあった。
朝方はどんよりと曇っていた天気もお台場に入ってから嘘のように晴れ渡り、空も高い。倉庫群の上をカモメがゆうゆうと飛んでいた。
二ヶ月前にオープンしたばかりという東京ジョイポリスは、ショッピングモールのような建物だった。
「うわ、すごい人」
今ではすっかり都会人の姉さんも驚いているから、これはやっぱり混んでいるのだろう。
平日の午前中だというのに、東京ジョイポリスの前には三十~四十人ぐらいの行列が出来ていた。
タクシーを降りると、真っ先に、東京湾からの風に乗って、海の匂いが飛び込んできた。僕は慣れない海の匂いに鼻がむずむずしてしまう。だけど、姉さんは気にする様子もなく、急ぎ足で行列の最後尾に向かう。東京も姉さんもせわしない、と思いながら、僕も置いていかれないように、あとを追った。
三十分ほどで東京ジョイポリスの中に入ることができた。
レインボーブリッジは西洋の神殿を彷彿させるような白い建築物で、その周りを海の中からそびえたつようにビル群が並んでいた。
しばし僕は言葉を失い、姉さんに感動を伝えることもできなかった。ようやく出た言葉が、ガッカリしているわけでもないのに「虹色じゃないんだ」だった。
「アハハ。夜になったら、ライトアップされて、虹みたいになるんやで」
「そうなんや」
「レインボーブリッジのライトアップ、東京タワーから見えるから、東京タワーは夜に登ろうか」
「うん!」
やっぱり姉さんはなんでも知っているなぁ。
見た目や雰囲気はこの一年で変わっていたけど、こうやっていろいろ教えてくれる姉さんは昔のままで──僕はレインボーブリッジに向けていた視線を、姉さんの小さなバッグが置かれた膝の上に合わせていた。
レインボーブリッジを渡り終えると、タクシーは広々としたまっすぐな道が続く湾岸通りに入った。
長方形の、倉庫のような建物がやたら多く、ところどころに少年野球ならできそうな空き地もあった。恐竜の首のようなクレーン車が、ビルを建設しているところもあった。
朝方はどんよりと曇っていた天気もお台場に入ってから嘘のように晴れ渡り、空も高い。倉庫群の上をカモメがゆうゆうと飛んでいた。
二ヶ月前にオープンしたばかりという東京ジョイポリスは、ショッピングモールのような建物だった。
「うわ、すごい人」
今ではすっかり都会人の姉さんも驚いているから、これはやっぱり混んでいるのだろう。
平日の午前中だというのに、東京ジョイポリスの前には三十~四十人ぐらいの行列が出来ていた。
タクシーを降りると、真っ先に、東京湾からの風に乗って、海の匂いが飛び込んできた。僕は慣れない海の匂いに鼻がむずむずしてしまう。だけど、姉さんは気にする様子もなく、急ぎ足で行列の最後尾に向かう。東京も姉さんもせわしない、と思いながら、僕も置いていかれないように、あとを追った。
三十分ほどで東京ジョイポリスの中に入ることができた。

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