この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ
白衣を脱いだら~熟れた蜜の囁き
第8章 昔語り(2)
「Kくんに悪いって、思わなかったの?」

ふと、そんな問いが昭吾の口をついて出た。自分の声がひどく掠れているのに気づく。

「嫌なとこ突くわね……なんだか、私がすごく悪いことをしたみたいじゃない。……あなただって今、散々遊んだるでしょ? もう、なんなのよ」

美香はそこでわずかに言葉を切り、前を向いたまま黙り込んだ。ジャズ音楽の音だけが、静かに車内を流れている。彼女の横顔がほんのりと赤く染まって見えた。その目元が、かすかに潤んでいる。

「すいません……気に障りましたか?」

昭吾の声を遮るように、美香は小さく笑った。その笑みは、どこか切なく寂しげだった。

「ううん。全然。怒ったふりよ。……びっくりした? 昔の思い出を少しだけね。……もう今となっては良い思い出にすぎないわ」

潤んだ瞳で、美香はこちらをまっすぐに見つめた。その視線の奥には、いまだに冷めきらない熱と、長い歳月が静かに磨き上げた寂寥のようなものが、同時に揺れていた。

美香の中に眠っていた激しいものは、今もなお、こうして静かに息を潜めている。表には決して出さないが、確かにそこにある。彼女というひとりの女性の底知れない深みを形作っているもの。無意識の欲望は消え失せることなく、ただ静かに、彼女の人生の底を流れ続けていることが、昭吾の心の中にストンと落ちていった気がした。

そして美香は、またゆっくりと語り始めた。

その声は低く、どこか遠い異国の場所から聞こえてくるようだった。車はパーキングを目指し、夜の街を静かに走り続けている。灯りは流れ、時間は流れ、ただ記憶だけが、あの夜のホテルの一室へと静かにとどまり続けていた。








/89ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ