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白衣を脱いだら~熟れた蜜の囁き
第8章 昔語り(2)
彼の腕の中にいるとき、私はいつも静かだった。彼の体温が伝わってくると、胸の奥にあった穴が少しだけ塞がれるような気がした。
セックスが特別好きだったわけではない。関学の元彼のときは、一人暮らしだったから毎日通えただけで、体を重ねるのはただその結果にすぎなかった。
でもKのときは違った。彼の優しさが、私の中の空っぽな場所を静かに満たしてくれる気がしたのだ。彼に触れられると、私は自分を許せるような気がした。それが何より嬉しかった。
しかし本当は——私は自分が思っている以上に、ずっと飢えていたのかもしれない。
Kの優しさに身を委ねているときでさえ、体の奥底で何かが足りないと疼くことがあった。彼の指先が私を優しく開いてくれるとき、それに応えて体は波打つけれど、その波の向こう側にもっと激しい何かが潜んでいるような気がしてならなかった。
それを認めるのが怖かった。優しさの中に包まれているうちは、きれいなままでいられる。だがそのきれいさのすぐ下には、泥のように黒い欲望が沈んでいることを、私は知っていた。知っていながら、必死に蓋をしていた。
その黒い欲望は、単なる性欲などではなかった。もっと深く、もっと厄介なものだった。自分自身を徹底的に壊したいという衝動。きれいなままではいられないこの身を、誰かに激しく暴いてほしいという渇き。
Kの優しさは私を守ってくれたけれど、同時に、私の中にある黒い部分を見えなくもしていた。その「見えなくしてくれること」が、時として逆に苦しかった。
本当の私はもっと汚れていて、もっと飢えていて、もっと激しいものを求めている——そんな自分を決して認めたくなかった。だからこそ強く、丁寧に蓋をした。
セックスが特別好きだったわけではない。関学の元彼のときは、一人暮らしだったから毎日通えただけで、体を重ねるのはただその結果にすぎなかった。
でもKのときは違った。彼の優しさが、私の中の空っぽな場所を静かに満たしてくれる気がしたのだ。彼に触れられると、私は自分を許せるような気がした。それが何より嬉しかった。
しかし本当は——私は自分が思っている以上に、ずっと飢えていたのかもしれない。
Kの優しさに身を委ねているときでさえ、体の奥底で何かが足りないと疼くことがあった。彼の指先が私を優しく開いてくれるとき、それに応えて体は波打つけれど、その波の向こう側にもっと激しい何かが潜んでいるような気がしてならなかった。
それを認めるのが怖かった。優しさの中に包まれているうちは、きれいなままでいられる。だがそのきれいさのすぐ下には、泥のように黒い欲望が沈んでいることを、私は知っていた。知っていながら、必死に蓋をしていた。
その黒い欲望は、単なる性欲などではなかった。もっと深く、もっと厄介なものだった。自分自身を徹底的に壊したいという衝動。きれいなままではいられないこの身を、誰かに激しく暴いてほしいという渇き。
Kの優しさは私を守ってくれたけれど、同時に、私の中にある黒い部分を見えなくもしていた。その「見えなくしてくれること」が、時として逆に苦しかった。
本当の私はもっと汚れていて、もっと飢えていて、もっと激しいものを求めている——そんな自分を決して認めたくなかった。だからこそ強く、丁寧に蓋をした。

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