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白衣を脱いだら~熟れた蜜の囁き
第8章 昔語り(2)
もう三十分ほどでパーキングに到着する。
車の窓の外では、街の灯りがゆっくりと流れていく。ネオンの赤い光がガラスに細く伸びては消え、また別の光が浮かび上がる。エンジンの低い音だけが、一定のリズムを刻んで車内に満ちていた。美香はシートに浅く腰かけ、窓の向こうを見つめている。しばらく沈黙が続いたあと、彼女は低い声で語り始めた。その声は、遠い記憶の底から静かに水面を割って浮かび上がってくるようだった。
********
女子大のころは、ほんとうにモテ期だった。
ある日、友人に誘われて、今でいうマッチング系の会社の審査を受けた。履歴書を書き、面接を受け、試験まであって、合格しなければ入れない場所だった。
普通の女の子は足を踏み入れられない、女学院や南女といったお嬢様女子大の現役や卒業生が集うところ。遊び半分で応募したのに、なぜか私まで通ってしまった。
会社からメールが届くようになり、金曜と土曜はほとんどパーティや合コンの案内ばかりになった。
友達三人で登録していたから、選択肢は豊富にあった。参加する男性はお金を払っており、大学生や社会人が多かった。関学の彼との一件があってから、しばらく私は男の人とまともに向き合えずにいた。
胸の奥に小さな穴が開いたままで、そこから冷たい風が吹き抜けるような感覚が続いていた。だが時間が経つにつれて、その痛みは少しずつ薄れていった。薄れていく自分を、私はどこかで恐れていた. 忘れるということは、大切だったものを静かに手放すことなのだと、そのころすでに薄々感じていた。
そこで出会ったのが、神大の医学部に通う男の子、Kだった。
実家から通っているのは私と同じで、毎日会うことは叶わなかったが、週に一度は必ず顔を合わせた。外で食事をし、時間があればホテルに入り、カラオケの部屋を借り、彼の友達の部屋を借りて抱き合った。
彼の家はごく普通のサラリーマン家庭で、苦学して医学部に入った子だった。私なんかよりずっとしっかりしていて、私のことを深く大切にしてくれた。だからこそ私は彼を尊敬していたし、いいお付き合いだったと思っている。
車の窓の外では、街の灯りがゆっくりと流れていく。ネオンの赤い光がガラスに細く伸びては消え、また別の光が浮かび上がる。エンジンの低い音だけが、一定のリズムを刻んで車内に満ちていた。美香はシートに浅く腰かけ、窓の向こうを見つめている。しばらく沈黙が続いたあと、彼女は低い声で語り始めた。その声は、遠い記憶の底から静かに水面を割って浮かび上がってくるようだった。
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女子大のころは、ほんとうにモテ期だった。
ある日、友人に誘われて、今でいうマッチング系の会社の審査を受けた。履歴書を書き、面接を受け、試験まであって、合格しなければ入れない場所だった。
普通の女の子は足を踏み入れられない、女学院や南女といったお嬢様女子大の現役や卒業生が集うところ。遊び半分で応募したのに、なぜか私まで通ってしまった。
会社からメールが届くようになり、金曜と土曜はほとんどパーティや合コンの案内ばかりになった。
友達三人で登録していたから、選択肢は豊富にあった。参加する男性はお金を払っており、大学生や社会人が多かった。関学の彼との一件があってから、しばらく私は男の人とまともに向き合えずにいた。
胸の奥に小さな穴が開いたままで、そこから冷たい風が吹き抜けるような感覚が続いていた。だが時間が経つにつれて、その痛みは少しずつ薄れていった。薄れていく自分を、私はどこかで恐れていた. 忘れるということは、大切だったものを静かに手放すことなのだと、そのころすでに薄々感じていた。
そこで出会ったのが、神大の医学部に通う男の子、Kだった。
実家から通っているのは私と同じで、毎日会うことは叶わなかったが、週に一度は必ず顔を合わせた。外で食事をし、時間があればホテルに入り、カラオケの部屋を借り、彼の友達の部屋を借りて抱き合った。
彼の家はごく普通のサラリーマン家庭で、苦学して医学部に入った子だった。私なんかよりずっとしっかりしていて、私のことを深く大切にしてくれた。だからこそ私は彼を尊敬していたし、いいお付き合いだったと思っている。

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