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キウイ基地ーポルノ女優と過ごした夏
第1章 こんにゃくと、レジのお姉さん
 ここで初めてレジのお姉さんの顔をまともに見た。瓜実顔で、眉毛は細くて、どこか冷たそうな一重の瞳。可愛いというより美人系の顔立ちなのだが、お化粧をほとんどしていないみたいで、自分と年があまり変わらないのではと思うほど、幼くも見えた。
 ただ、驚いたのは緑のエプロンの胸元だ。体つきは細いのに、ソフトボールを二つ並べて詰め込んだような膨らみで、ドーンと前に突き出ているのだ。エプロンの胸元なんかパンパンに張りつめていて、いまにも爆発しそうだ。
 顔は控えめなのに、体がエロすぎる。
 祐介はごくりと息を飲んだのだが、すぐに別の意味で息を飲んだ。
 レジのお姉さんは口を真一文字に結び、怖い顔でこちらを睨んでいるではないか。
 自分のドスケベを見透かされているような気がした。おっぱいに目を奪われているだけでなく、自分がここにオナニー用のこんにゃくを買いにきたこともバレているように思えた。
 逃げなきゃ。理由は分からないけど、レジのお姉さんが怒っているのは明らかで、このままここにいるのは危険だと本能が察知した。
 思いっきりペダルを踏み込む。
「ちょっと!」
 すぐさまお姉さんの声が追いかけてきた。怒った顔とは裏腹に、朝のテレビニュースに出ている、若い女子アナウンサーのような、綺麗な声だった。
 もちろん、止まるわけにはいかない。祐介はなりふり構わず、駐車場を突っ切って、一気に車道まで出た。
 目の前の雑木林からはしゃあしゃあと蝉時雨、まっすぐに伸びる車道の向こうには、田植えを終えたばかりの、水面のかがやく田園地帯が広がっている。
 ちらりと駐車場にも目を向けた。
 夏の強い日差しが目に突き刺さった。
 レジのお姉さんはもう諦めたのか、駐車場の真ん中あたりで立ち止まっていた。
「あっ……」
 眩い光の中で、お姉さんの体が崩れ落ちた。
 がくりと膝が折れて、灼熱のアスファルトに両手をついた。四つん這いにちかい格好であったが、エロ本の女の人みたい、なんて到底思えなかった。
 急に具合が悪くなったのか、苦しそうに肩も震わせていた。祐介も驚いてブレーキをかけた。その直後、スーパーの出入り口から、緑のエプロンをつけた四十代ぐらいの中年女性も飛び出してきた。
「どうしたの!?」叫びながら、お姉さんのもとへ駆け寄ろうとしていた。
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