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キウイ基地ーポルノ女優と過ごした夏
第1章 こんにゃくと、レジのお姉さん
 わざとではないと思う。あんなにも大きく前にせり出しているから、体を寄せた拍子に、たまたまひっかかってしまったのだろう。
 レジのお姉さんが、おっぱいを押しつけたまま、顔も近づけてきた。
 柔らかそうなホッペに、縦じわの多い薄桃色の唇、そよ風に揺れそうな長い睫が至近距離で確認できて、祐介は喉をごくりと鳴らした。
 時間が止まったかのように感じた。風の音も蝉の声も聞こえなくなった。
 レジのお姉さんがひょいと背伸びして、祐介の耳元に唇を寄せてきた。
「こんにゃく……何に使うつもりだったの?」
 女子アナのような綺麗な声だけが祐介の耳に届いた。耳元で囁かれたのに、なにをいわれたのか、まったく頭にはいってこなかった。
「私、聞いたことあるもん。男の子が一人でするとき、こんにゃくを使うって」
「へ? へ?」
「図星でしょ~。ふふ」
 耳の穴をくすぐるように微笑まれて、祐介は顔面から滝のように汗が噴き出た。
「ち、違います……」
「恥ずかしがらなくてもいいじゃん。男の子だったら、オナニーなんて普通でしょ?」
「な!」
 祐介は絶句した。こんにゃくの使い道をズバリ言い当てられたことよりも、女の人が平然とオナニーなんて言葉を口にしたことが信じられなかった。
 なんなのだ、このお姉さんは……。
「どうして、買わなかったの?」
 ふたたび、お姉さんのおっぱいがむにゅりと、祐介の二の腕に押し込まれた。
「いや、それは……」
「お金が足りなかったの?」
「いえ……」
「じゃあ、どうして?」
 本当にいったい何なのだ。おっぱいが当たっているうえ、ただでさえ祐介は頭の回転が悪いのだ。こんなにも矢継ぎ早に質問されたら、頭の中がパニックになって……いや、どういうわけか、ならなかった。
「だって……」
 祐介は赤面しながらも顔を上げた。レジのお姉さんはじっと祐介の瞳を眺めていた。
「だって?」
「……レジにいたのが、お姉さんだったから」
 口にしてから、自分はやっぱりバカだと思った。なぜ、正直に答えてしまったのだろう。
「そっか。私が女だったから、恥ずかしかったんだ?」
 意外にも、レジのお姉さんはバカにしなかった。それどころか、納得したように頷いていた。
「……うん」
「じゃあ、明日、また買いにおいで」
 おっぱいが離れていった。
「え?」
 レジのお姉さんはママチャリに跨がっていた。
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