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キウイ基地ーポルノ女優と過ごした夏
第1章 こんにゃくと、レジのお姉さん
祐介は思いつく限りの言葉で必死に謝罪して、ペコペコと頭を下げた。
「ふふ」
頭を下げたまま、祐介は固まった。
なぜだろう、そのイタズラな笑い声が耳に入った途端、祐介はこのレジのお姉さんのことを一瞬で好きになった。
「冗談よ。なにも怒っていないわよ。君、おもしろいね」
綺麗な声と、カタカタカタと車輪の回る音がした。
顔を上げると、レジのお姉さんはまた自転車を押して、歩きだしていた。
後ろにひとつで結んだ馬の尻尾みたいな髪の毛が、楽しそうにゆらゆら揺れていた。
祐介は自然と彼女を追いかけていた。隣に並んで、レジのお姉さんの横顔を見た。レジのお姉さんはにやにやと目も口も緩めていた。
「本当に怒ってないですか?」
「怒ってないでしょ。ほら、この顔、怒っているように見える?」
レジのお姉さんはにぃと、並びのいい白い歯を剥き出しに笑いかけてきた。
「怒ってなさそうです」
「でしょ。頭も良さそうでしょ?」
レジのお姉さんが、またアゴをひょいとあげて、冷やかすように聞いてきた。
「はい!」
「どれぐらい、頭よさそう?」
「え? えっと……そうですねー。クラスで、十二番目ぐらい」
祐介は思ったことを口にしてみた。
「それ、平均じゃんか! もう!」
ビックリするぐらいレジのお姉さんは声高らかにケタケタと笑った。冷たそうに見えた一重の瞳も見えなくなるほど垂れ目となっていた。
こんな経験、初めてだった。何か面白いことを言ったつもりはないのに、なぜかちゃんと会話が弾んでいる。
田植えを終えたばかりの田んぼの水面には、二人の姿が映っていた。
「あ~、あの自転車? 黒の」
レジのお姉さんが、二十メートルほど先のあぜ道に放置してあるチャリンコを指さした。
「はい」
祐介は名残惜しかった。農協のスーパーからここまで五分ぐらい、わずかな時間であったが、こんなにも人と別れるのが寂しいと思うなんて。思えば、彼女の名前すら知らないのに。
だからといって、「名前を教えてください」なんて聞けなかった。
祐介はチャリンコのハンドルを掴んで、サドルにまたがった。
「ねえ、ちょっと」
ふいにレジのお姉さんがよろめいたように体を寄せてきた。
「へ?」
よろめくどころか、軽く体をぶつけてきた。
この世のものとは思えない柔らかいものが、祐介の二の腕に当たった。
「ふふ」
頭を下げたまま、祐介は固まった。
なぜだろう、そのイタズラな笑い声が耳に入った途端、祐介はこのレジのお姉さんのことを一瞬で好きになった。
「冗談よ。なにも怒っていないわよ。君、おもしろいね」
綺麗な声と、カタカタカタと車輪の回る音がした。
顔を上げると、レジのお姉さんはまた自転車を押して、歩きだしていた。
後ろにひとつで結んだ馬の尻尾みたいな髪の毛が、楽しそうにゆらゆら揺れていた。
祐介は自然と彼女を追いかけていた。隣に並んで、レジのお姉さんの横顔を見た。レジのお姉さんはにやにやと目も口も緩めていた。
「本当に怒ってないですか?」
「怒ってないでしょ。ほら、この顔、怒っているように見える?」
レジのお姉さんはにぃと、並びのいい白い歯を剥き出しに笑いかけてきた。
「怒ってなさそうです」
「でしょ。頭も良さそうでしょ?」
レジのお姉さんが、またアゴをひょいとあげて、冷やかすように聞いてきた。
「はい!」
「どれぐらい、頭よさそう?」
「え? えっと……そうですねー。クラスで、十二番目ぐらい」
祐介は思ったことを口にしてみた。
「それ、平均じゃんか! もう!」
ビックリするぐらいレジのお姉さんは声高らかにケタケタと笑った。冷たそうに見えた一重の瞳も見えなくなるほど垂れ目となっていた。
こんな経験、初めてだった。何か面白いことを言ったつもりはないのに、なぜかちゃんと会話が弾んでいる。
田植えを終えたばかりの田んぼの水面には、二人の姿が映っていた。
「あ~、あの自転車? 黒の」
レジのお姉さんが、二十メートルほど先のあぜ道に放置してあるチャリンコを指さした。
「はい」
祐介は名残惜しかった。農協のスーパーからここまで五分ぐらい、わずかな時間であったが、こんなにも人と別れるのが寂しいと思うなんて。思えば、彼女の名前すら知らないのに。
だからといって、「名前を教えてください」なんて聞けなかった。
祐介はチャリンコのハンドルを掴んで、サドルにまたがった。
「ねえ、ちょっと」
ふいにレジのお姉さんがよろめいたように体を寄せてきた。
「へ?」
よろめくどころか、軽く体をぶつけてきた。
この世のものとは思えない柔らかいものが、祐介の二の腕に当たった。

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