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その足に頬を寄せたい
第1章 その足に頬を寄せたい
二軒目のバーはオシャレだった。僕も初めて来た。達紀がよく女の子を連れてくるところなんだろうと思った。
二杯飲んだ辺りで僕もトイレに立ち、続いて達紀も立った。初めて朋子と二人になり、僕はいっそう酒を飲むペースが早まった。
「そんな飲んで大丈夫?」
「うん、美味しいし」
カクテルだった。せっかくなら居酒屋には無いものを頼もうと思いお任せで作ってもらったパープル色のカクテル。使われているお酒は説明してくれたけど、全く覚えていなかった。
丸テーブルの下、朋子が足を組む。レザーが擦れるなんともいえない音が響き、つい足に目がいく。あまり見てはいけないと思うのに、目を離せなかった。
触れてみたい、革の感触を手のひらで感じたい。
「智って、結構わかりやすいね」
「え」
「あとで、解散してから見て」
そう囁き、朋子は何か名刺のようなものを右手でそっと僕のズボンのポケットに入れた。
その瞬間、ごとりと椅子を引く音がして、達紀が戻ってくる。
その後の会話はほとんど頭に入らなかった。
日付が変わる少し前に解散になった。
「今日は楽しかった! また飲も。来月頭の金曜辺りどうよ」
店を出て、達紀はすぐに次の予定を取り付けようとする。その様子を傍目に映しながら、仕事のアポ取りみたいだな、なんてぼんやり思った。
「来月の予定まだわからなくて。また連絡するね」

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