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妻であること、女であること(仮
第6章 一人の時間で思い出すこと
そして12時

俺は駐車場に停めてある自分の車に乗り、陶子さんに電話をかけた。

「お待たせしました」

「ううん、ありがと。ほんと感謝してる」

「俺はなにも…。
大丈夫ですか?陶子さん」

思っていたよりも声は元気だけど、
陶子さんは昔から元気の無いところを隠すタイプだから心配だ。

「うん…、なんとか」

陶子さんもさすがに辛いのか、声のトーンが変わった。

「大丈夫なんかじゃないですよね。
でも時間あんまりないから、話し進めましょう」

「うん」

「相談というのは、どう旦那さんに
話を切り出せばいいかってことですよね?」

「そう。
浮気じゃない可能性もあるから、すごく疑った言い方はしたくないし」

「わかります。
逆ギレは避けたいですよね。
それでちょっと考えてみたんですけど…、
あ、イベント会場で旦那さんを見たとか
そーゆーのは話してないですよね?」

「うん、全く」

「じゃあ、普通にそのこと話したらどうですか?
イベント会場で見たよーとか、女の人と一緒だったよね?とか。
疑ってる感じじゃなく、軽く」

「それとなく?」

「そうです。
女の人と居たことを認めたら、
誰か聞いてもいいんじゃないかなと思って」

「そっか…そうだね。
怪しい感じじゃなかったら、私、そんなふうに尚太に話すかも」

「そうですそうです。
そういう感じで」

「じゃあ……」

「はい」

「女の人とは一緒じゃなかったって言われたら…、
どうすればいいのかな」

それは…、もう確定に近いわけで…
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