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妻であること、女であること(仮
第6章 一人の時間で思い出すこと
「嘘つかないで!って問いただすか、
一旦は引き下がって新たな証拠を見つけるか…ですかね」
そう言いながら、俺は陶子の旦那がしらを切るとしか思えなくなっていた。
もしくは…さらっと知り合いに偶然会ったとか。
そうなったら、陶子さんはもう何も言えないだろう。
「そうだね…、問いただすほどの確信はないから、
引き下がっちゃうかも、私」
「でも話しをするのはいいんじゃないですか?
もしかしたら、女の人のこと分かるかもしれないんですから」
「そう…だよね。
うまく話せるといいんだけど」
「くれぐれも、無理しないように」
「はい」
「陶子さん」
「なに?」
「俺、土日にイベントあるんで、明日は休みなんです」
「あ、うん」
「いつでも電話できますから」
電話じゃなくて、本当は会いたいと言いたかった。
できれば部屋に来ませんかと言いたかった。
でも、旦那とよりを戻したいと思ってる陶子さんに、
俺は言えないでいた。
「ほんと?!ありがとー」
やっぱりかなり不安なのか、電話の向こうで、
頭を下げている陶子が見えるようだった。
「夜も、待ってます。結果の連絡」
「うん、必ず連絡する。
あ、お昼休み無くなっちゃうから、もう電話切るね。
本当にありがとう」
「いえ、全然。
じゃ、また夜に」
電話を切って、俺は一人車の中で目を閉じた。
何やってんのかな、俺。
陶子さんを救ってあげたい、陶子の幸せを願いたい、
そう思ってるのに、陶子さんと『どうにかなりたい』と
思う気持ちが止まらない。
まるで、赤ずきんちゃんに出てくるオオカミだ。
優しくして、協力して…、でも陶子さんを奪いたくて仕方がない。
あー…、クソっ。
なんで俺は、陶子さんが結婚するのを指咥えて見てたんだ?
なんであの時、あれ以上のことができなかったんだよ!
俺は、自分で自分に腹を立てながら車から降りて、
わざと音を立てるように車のドアを閉めた。
あの頃の自分に『情けない!』と叱咤するように。
一旦は引き下がって新たな証拠を見つけるか…ですかね」
そう言いながら、俺は陶子の旦那がしらを切るとしか思えなくなっていた。
もしくは…さらっと知り合いに偶然会ったとか。
そうなったら、陶子さんはもう何も言えないだろう。
「そうだね…、問いただすほどの確信はないから、
引き下がっちゃうかも、私」
「でも話しをするのはいいんじゃないですか?
もしかしたら、女の人のこと分かるかもしれないんですから」
「そう…だよね。
うまく話せるといいんだけど」
「くれぐれも、無理しないように」
「はい」
「陶子さん」
「なに?」
「俺、土日にイベントあるんで、明日は休みなんです」
「あ、うん」
「いつでも電話できますから」
電話じゃなくて、本当は会いたいと言いたかった。
できれば部屋に来ませんかと言いたかった。
でも、旦那とよりを戻したいと思ってる陶子さんに、
俺は言えないでいた。
「ほんと?!ありがとー」
やっぱりかなり不安なのか、電話の向こうで、
頭を下げている陶子が見えるようだった。
「夜も、待ってます。結果の連絡」
「うん、必ず連絡する。
あ、お昼休み無くなっちゃうから、もう電話切るね。
本当にありがとう」
「いえ、全然。
じゃ、また夜に」
電話を切って、俺は一人車の中で目を閉じた。
何やってんのかな、俺。
陶子さんを救ってあげたい、陶子の幸せを願いたい、
そう思ってるのに、陶子さんと『どうにかなりたい』と
思う気持ちが止まらない。
まるで、赤ずきんちゃんに出てくるオオカミだ。
優しくして、協力して…、でも陶子さんを奪いたくて仕方がない。
あー…、クソっ。
なんで俺は、陶子さんが結婚するのを指咥えて見てたんだ?
なんであの時、あれ以上のことができなかったんだよ!
俺は、自分で自分に腹を立てながら車から降りて、
わざと音を立てるように車のドアを閉めた。
あの頃の自分に『情けない!』と叱咤するように。

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