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妻であること、女であること(仮
第6章 一人の時間で思い出すこと
誰かが言っていた。
浮気をされたら、夫ではなく、その相手に腹が立ち憎らしくなると。

まさに…今の私がそうだと思った。

どんな相手なのか。
何をしている人で、どうな風に知り合ったのか。
どんな顔をして、どんな服装で、どんな話をするのか…
そして、どんなセックスをするのか。
とにかく相手のことが知りたい。
私の頭の中は、尚太ではなく、あの女の人のことで埋め尽くされはじめた。

もちろん、尚太のことも考えはするが、
尚太が浮気をしたならば、私が至らなかったせいだと考えてしまう。

私の心は、憎しみや悲しみ、そして自己嫌悪がグルグルと
渦を巻くように入れ替わり、何も手につかなくなってしまった。



side 西谷

出社して2時間が経った頃、
昨日の夜から連絡の無かった陶子さんからメールが届いた。

こんな時間にメールを送信するということは、
昼休みの時間まで待てなかったってこと。
何かあったのかもしれない。

そう思った俺は、すぐに携帯を持って席を立った。
行き先はコーヒーが飲める休憩スペース。
到着すると俺はすぐにメールを開いた。

『仕事中にごめんなさい。
今朝の出来事連絡するね。
夫とは、あまり話してないけど、いつもと変わらない様子。
昨日夫が着ていたシャツを確認したら、
微かに女性の香りと、ファンデーションがついたような汚れを見つけてショック受けてる。
なんだか涙が止まらなくて、仕事休んじゃった』

マジか…仕事休むほど泣くなんて可哀想に。
その割には淡々とした文面だな。
落ち込んでるに違いないのに…。
しかし、浮気の確率はかなり高まったよな。
陶子さんには言えないけど。
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