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妻であること、女であること(仮
第5章 苛立ち
俺がレスに陥ったのも
誘いを断られたことから始まった。
最初はさほど気に留めていなかったが
妻の様子は日々変化していったんだ。
俺に背を向けて寝るようになり、
次第に俺より先に眠るようになった。
何度か誘ったりしたけど
『疲れてるから』と言われ…心が折れそうになったっけ。
そのうち、キスはもちろん
ハグさえも拒否されるように…。
「ハグは?してます?」
「そんなのしないよ、もう」
陶子さんの声色は、とても悲しそうだった。
わかる。わかるよ。
ハグさえできない悲しみ。
「疲れてるとか…あると思うんですよ。
男だって女だって。
正直クタクタで眠らせて欲しいと思うことありましたし」
「うん」
「だから、最後までしなくてもいいんですよ。
ハグだけとかで全然よくて
というか…ハグだけでも毎日してたら
それはレスじゃない気もします。
ハグで心通ってたら、俺
してなくてもレスとは言わないかも」
「わかる。すごく分かるよ、それ。
言葉がなくてもいい、ハグだけでもされたかった」
「レスって…身体が飢えてるだけじゃなくて
心が飢えてるんですよね」
それからしばらく
二人は黙ったままだった。
お互い、自分の傷を思い出し
その傷に塗る薬もないまま
傷を深くしていってるようだった。
誘いを断られたことから始まった。
最初はさほど気に留めていなかったが
妻の様子は日々変化していったんだ。
俺に背を向けて寝るようになり、
次第に俺より先に眠るようになった。
何度か誘ったりしたけど
『疲れてるから』と言われ…心が折れそうになったっけ。
そのうち、キスはもちろん
ハグさえも拒否されるように…。
「ハグは?してます?」
「そんなのしないよ、もう」
陶子さんの声色は、とても悲しそうだった。
わかる。わかるよ。
ハグさえできない悲しみ。
「疲れてるとか…あると思うんですよ。
男だって女だって。
正直クタクタで眠らせて欲しいと思うことありましたし」
「うん」
「だから、最後までしなくてもいいんですよ。
ハグだけとかで全然よくて
というか…ハグだけでも毎日してたら
それはレスじゃない気もします。
ハグで心通ってたら、俺
してなくてもレスとは言わないかも」
「わかる。すごく分かるよ、それ。
言葉がなくてもいい、ハグだけでもされたかった」
「レスって…身体が飢えてるだけじゃなくて
心が飢えてるんですよね」
それからしばらく
二人は黙ったままだった。
お互い、自分の傷を思い出し
その傷に塗る薬もないまま
傷を深くしていってるようだった。

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