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真夏の熟果-裂けて堕ちたザクロの緋い実
第11章 一枚上手
その様子を撮り続ける

俊也くんと葵ちゃん、

そして、壮太くん。

俊也くんと壮太くんのシャッター音が

静かな公園に響く。

それ以外の音は、川の水音くらい…。

近くには医療モールや、

学習塾や進学塾、アパートなどもあるけど、

灯りは消えているところがほとんど。

しかも、それらは、

夏になって生い茂った樹々の葉や、

伸びた雑草に覆い隠されて見えなかった。


それだけが救い…。

仮に道路を通る車があっても、

公園の中までは見えそうになかった。


「深夜の公園で、競泳水着を着て、ブランコを漕ぐ奥様って、それだけで卑猥だな」


そう言いながら、

スマートフォンのカメラのレンズを

向ける翔太くん。

それぞれが思い思いに、

レンズを向けてくる。

どこが撮られているのか、

どんな風に映っているのか…。

まったくわからないけど、

スマートフォンから聞こえる

シャッター音が微妙に、

私の羞恥心を刺激していた。


『痴漢に注意』という看板が見える。


それが視界に入ったらしい翔太くんが、

「痴漢に注意か…。っていうか、俺達の目の前に痴漢じゃなくて、深夜の公園で競泳水着でブランコに乗る痴女がいるけどな」


と、言うと、クスッと笑ったのは葵ちゃん…。


「そうだな。注意じゃなくて、注目ってか」


壮太くんが話すと、

また、クスッと笑う葵ちゃん。


「そうそう『痴女に注目』っていう感じ」


翔太くんがそう言って笑った。

痴女…。この光景だけを見れば、

そうなるのかもしれないけど…。

したくてしているわけでは…。


「じゃあ、今度は、座って」


翔太くんが指示を出した。

言われるように、

ブランコの板の上に腰を下ろして座った。


「奥さん、ケツがデカすぎて、板に収まってないですよ」


壮太くんが笑いながら言うと、


「お尻にブランコの鎖が食い込んでいる」


と、葵ちゃんが動画を撮影しながら、笑った…。

私を侮蔑するような視線。

同性からの視線の方が、

翔太くんや壮太くん、俊也くんの視線より

堪えた…。
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