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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第144章 誘う人妻 揺れ動く理性と見知らぬ男の欲望
男は自分の推測に確信を持つと、ほくそ笑んだ。陰で操っている男の意図をすべて汲み取った上で、何も知らない愚かな配達員のフリをしてやろうと決めたのだ。そうすれば、影の男を満足させつつ、自分はこの極上に美しい女の肉体をタダで心ゆくまで味わうことができる。
男は野卑な欲望で目をギラつかせながら、あえて何も事情など気づいていないフリをして、低く掠れた声で白々しく確認した。
「……いいのか?」
澪は恐怖と屈辱に引き裂かれそうになりながらも、ここで退くことの不可能性を思い知り、力なく、しかし拒絶の余地を断ち切るように頷いた。
その瞬間、男の目から躊躇いが消えた。影の男のシナリオ通りに動く「都合の良い男」を演じながら、一気に目の前の肉体を喰らい尽くしてやろうと心の中で冷笑を浮かべ、ゆっくりと上がり框の上の澪に向かって一歩を踏み出してきた。
「っ……あ……!」
迫り来る男の威圧感と、初老特有の生々しい肉体の圧迫感に気圧され、澪は思わず後退りした。背筋を冷たい汗が伝う。本能的な恐怖に耐えかね、彼女は弾かれたように後ろを向き、背後のリビングダイニングへ向かって逃げ出そうとした。
しかし、男は逃がさなかった。
「どこへ行くんだよ」
小太りな身体からは想像もつかない力強さで、男は逃げようとする澪の右腕をがしりと掴み、ぐいっと強引に己の胸元へと引き寄せた。
「だめ……っ! いやぁっ……!」
澪は咄嗟に拒絶の言葉を漏らし、身をよじって抗おうとする。だが、男はそんな抵抗を端から気にも留めない。腕の力を緩めることなく、逃げ惑う澪の細い身体をそのまま腕の中にすっぽりと抱きしめた。服越しに伝わる初老の体温と、男臭い匂いが鼻腔を突く。
「嫌がることはないだろ……? 自分から抱いてほしいって誘ったのは、お前の方じゃないか」
耳元で低く囁かれたその言葉は、澪の頭の中に鮮烈なフラッシュバックを引き起こした。
(私……自分で誘ったんだわ……)
さっきまでリビングで繰り広げられていた、真壁とのやり取りが怒涛のように脳裏に蘇る。配達員の男に抱かれろと命じた真壁。そしてその命に従い、「私を肉便器にして、もっと気持ちよくして」と自ら狂乱の欲望を口にした自分――。
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