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蝶恋乱舞~禁断の策略愛に溺れて
第4章 素顔の信長
帰蝶は力任せに信長の胸ぐらをつかみ起こし、頬を平手で打った。
「お前、なにす・・・」
信長は驚きと怒りに目を剥いて帰蝶を睨んだ。
すかさず反対の頬に帰蝶の手の甲が打ち付けられた。
「殿、目をお覚ましくだされ」
気付いたら、信長を叩いていた───。
そんなふうだった。
振りかざした手にどれだけの力を込めたのか、帰蝶自身もわからない。
手のひらも手の甲も、じりじりと痛んだし、信長の両頬には赤い手のあとが貼りついている。
父を失ってやけになっている信長と同様に、帰蝶も少なからず心を乱されていた。
その寂しさと悔しさを、信長にぶつけていたのかもしれなかった。
「尾張の国は殿にかかっているのです」
昂る帰蝶に向け、信長は冷たいため息をこぼすと、目をそらし、諦めたような横顔を見せた。
「だれがこんな俺なんかにこの国を託すものか。あいつらの目、お前も見ただろ」
抹香を投げつけたあの瞬間、家臣団が凍り付いたのを、帰蝶も目の当たりにした。
だが、あのような馬鹿げた真似をすれば、誰しもが呆れるに決まっている。
「殿は・・・自らが、そのように仕向けているのではありませんか? 私にはそう思えてなりませぬ」
「俺が仕向けるだと?」
「お前、なにす・・・」
信長は驚きと怒りに目を剥いて帰蝶を睨んだ。
すかさず反対の頬に帰蝶の手の甲が打ち付けられた。
「殿、目をお覚ましくだされ」
気付いたら、信長を叩いていた───。
そんなふうだった。
振りかざした手にどれだけの力を込めたのか、帰蝶自身もわからない。
手のひらも手の甲も、じりじりと痛んだし、信長の両頬には赤い手のあとが貼りついている。
父を失ってやけになっている信長と同様に、帰蝶も少なからず心を乱されていた。
その寂しさと悔しさを、信長にぶつけていたのかもしれなかった。
「尾張の国は殿にかかっているのです」
昂る帰蝶に向け、信長は冷たいため息をこぼすと、目をそらし、諦めたような横顔を見せた。
「だれがこんな俺なんかにこの国を託すものか。あいつらの目、お前も見ただろ」
抹香を投げつけたあの瞬間、家臣団が凍り付いたのを、帰蝶も目の当たりにした。
だが、あのような馬鹿げた真似をすれば、誰しもが呆れるに決まっている。
「殿は・・・自らが、そのように仕向けているのではありませんか? 私にはそう思えてなりませぬ」
「俺が仕向けるだと?」

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