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恋は静かに、長く、深く
第9章 優香里 さよならは夢の中へ
体に力が入らない。
何の気力も起きない。
学校にも行かず、
部屋でじっとうずくまって何日も過ごした。
浩平とおばちゃんが
何度か部屋をノックして私を呼んだけど無視した。
いつの間にか眠ってしまって目を覚ますと、
窓から赤い光が差し込んでいた。
綺麗な夕焼けだった。
窓を開けると
隣から美味しそうな匂いがしてくる。
丸二日くらいの間、
何も食べていないことに気づいた。
───唐揚げ、食べたい
ふらふら立ち上がって、
ドアを開けた。
すると隣のドアが開けっぱなしになって、
浩平の大きなスニーカーでおさえてあった。
玄関のすぐ横にある台所のコンロで、
浩平が丸っこい手で
菜箸を使って唐揚げを油から取り出している。
「来たな」
浩平はにやっと笑った。
「優香里をおびき出すのには
これが一番だね」

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