この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第13章 間章:桜の時
そう、加山くんと彼女の姿を見て、『羨ましい』なんて思ってしまっている自分がいた。私ももう34だ。我が身が置かれた状況の寂しさから、普段いかに目を逸らして生きているか・・・それを目の当たりにした感じだ。

そんなことに気づいてしまって、ちょっと私は笑えて・・・そして、なんだか悲しくなってきた。

あ・・・こんな気持で、書き物なんかできないや。

なので、ルートを変更した。ちょっと大きな公園に。
こういう時はぼんやりと歩くに限る。

いつの間にか夕暮れが迫ってくる。そんな時間にも関わらず、繁華街に近いせいだろうか、公園には多くの人が行き交っていた。白銀の街灯が灯り、そこにある木々を照らし出していた。

「あ・・・桜・・・」

不意に目の前に桜の木が現れた。ソメイヨシノではない。早咲きの桜のようで、一足先に爛漫と咲き乱れていた。

銀の光を浴びる薄紅色の桜を見ていたら、自然と歌が唇から溢れてきた。
「〜♪」

小さく、小さく口ずさむ。
aikoさんの『桜の時』

随分、昔の曲だと思う。どこかで聞き覚えて気に入ったのだった。カラオケなんかで歌うと、おじさん連中なんかはよく喜んでくれた。私の声質にもちょうどいいのだ。

♪今まで生きてきたこと
 いろんなことがあったけれども
 あなたに会えたのなら全部それで報われた気がするよ・・・

そんな歌詞。

♪手をつないで・・・離さないで
 春色に染まった私を、あなたのそばにいさせて欲しい

桜の花が舞い散る中、好きな人と一緒に肩を並べて歩いている。
そのひとときが、私の生きている意味を照らし出してくれる・・・。

早咲きの桜を見上げながら、ポツポツと歌う声
歌いながら、泣きそうになって、そんな自分は本当に馬鹿だな・・・って思った。

この手が誰にもつながっていないのは、全部、自分のせいなのに
そんな風に自分を追い詰めて、更に悲しくなっていて。

そんなこと・・・意味なんてないのに。

そんな私の目の前を桜の花がひらひら、ひらひら
1枚・・・2枚・・・舞い散っていった。
/179ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ