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年下のバイト君にお持ち帰りされたパート主婦
第1章 お持ち帰りされた夜
周囲は、送別会の賑やかな笑い声が続いており、二人に関心を持つ者はいなかった。

「うん。今日は旦那は出張だし、息子は塾の合宿なの。家に帰っても誰もいないし、たまにはいいかなぁってね」

奈穂美は、夫も子供もいない、フリーな夜であることを、まったく警戒心なく、むしろ少し解放された気分で口にした。

(来た...! まさかここまで最高のシチュが揃ってるなんて。旦那は出張、ガキは合宿。つまり、オールフリーってことじゃん!今日は、絶対に持ち帰ってやる!最高のチャンスじゃん!!)

幹男の心の中で、下心と獲物を狙う興奮が一気に高まる。

「へえ〜、合宿のある塾なんで、息子さん凄いところ行ってるんすね。俺のガキの頃なんて、親に無理やり行かされた算盤塾ッスよ」

そんな下心をひた隠し、幹男は笑いながら、大げさに肩をすくめて、奈穂美の笑いを誘う。

「アハッ!算盤って、古っ!」

「マジっすよ。俺の地元、田舎なんで、小1になると、みんな算盤塾に通うんすから」

「あ、奈穂美さん、お代わり頼みますね。同じものでいいすか?」

さりげなく「奈穂美」と名前で呼びながら言うと、幹男は奈穂美の返事を待たずに、手を挙げて店員を呼んだ。

「別に凄くないわよ。中学受験もあるのに、うちの子、全然勉強しないでゲームばっかり。だからうちも半ば無理やり塾に行かせてるの」

最後は少し愚痴っぽく、子育ての苦労を滲ませる。明るく社交的な奈穂美にとって幹男は、年の離れた、親しみやすい職場の後輩という認識でしかないようだった。

「へぇー、受験っスか。大変すね」

幹男は同情するような表情を作るが、奈穂美の「不満」のサインを聞き逃さなかった。
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