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第2章 エピローグ

「うおおお！奈穂美さん、すごいっす！やったじゃん！俺たちの愛の結晶っすよ！」

幹男は、大袈裟に奈穂美を抱きしめ、心の中ではすぐに匿名掲示板に投稿する文章を考え始めた。

タイトルは『平凡な人妻を寝取り、妊娠させてみたw』。

動画のサムネイルには、奈穂美が中出しされた瞬間の顔と、エコー写真を使う計画を立てた。これで彼のチャンネル登録者数と、投げ銭は過去最高を記録するに違いない。

奈穂美が不安そうに「あの、どうするの…？」と尋ねる。

「大丈夫っすよ、奈穂美さん！この子、旦那さんの子ってことにすれば問題ないっす。俺がちゃんと応援するんでっ！」

幹男は悪びれもなくそう言い放ち、すぐにスマホを構えた。

「ちょっと、今、妊娠を告白した後の不安そうな顔、凄いいいっすよ！奈穂美さん、このままカメラ目線で『旦那にバレたらどうしよう』って言って！リアクション動画撮りましょうよ！」

奈穂美の涙を最高の「エモい演出」だと捉えた幹男は、妊娠という奈穂美の人生を揺るがす出来事さえも、カネを稼ぐためのコンテンツと捉える、最低、最悪のクズ男だった。


【完】