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One Night LOVE
第2章 微糖
その日は、美味しいディナーを2人で食べに行った。


「好きなだけ食べて」
「でも……」
「私1人で食べきれないってw」


私が適当に頼んだ料理をガツガツ食べ始めた彼。
周りの人たちは上品に食べているけど、私は何とも思わなかった。
むしろ、彼が腹いっぱい食べて、幸福を感じてくれればいい。
彼の嬉しそうな顔を見ながら、ずっとワインを飲んでいた。


私たちの関係は外部から見れば複雑だった。
スーツを着たバリキャリと学生服の高校生の彼。
しかもクリスマスイブに食事をしている。
まぁ……怪しいのは当たり前だよね。
 

「あの、すみません。お2人はどういう関係ですか?」


警察に声をかけられて、気づいた。
私たちは、並んで歩いてはいけないということに。
でも、私は悪いことをしたなんて思ってない。
だから、警察と話をしようと腹をくくっていたら……


「え?ちょっと待って!」


彼が私の腕を引っ張って走り出したのだ。


「ちゃんと、話せば……」
「嫌だ……せっかく楽しかったのに嫌だ!」


あまり自分の気持ちを言わない彼。
だからこそ、私も彼と一緒に走った。
せめて今だけは……今日だけは……そう、願いながら。



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