この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
One Night LOVE
第1章 ココア
「ん……」
目を覚まして、隣で寝ている彼の顔を見つめた。
こうやって寝顔を見ていると子供っぽく見える。
長いまつげに高い鼻、滑らかな肌。
「ふふ、白髪がある」
完璧に見える彼の白髪が見えて、ちょっと嬉しかった。
今日、いや、昨日のことは
彼と私の秘密。
この秘密で、私は頑張れる。
「帰っちゃうの?」
身支度を整えて、帰ろうとした瞬間、
ベッドから起き上がっていた彼に尋ねられた。
そんな、子供っぽく言われたら…母性が出てしまう。
彼の顔を見たら、決心が鈍ると思って、そっと帰ろうと思ったのに……
「会社に行く前に着替えたくて。家はここから遠いので」
「辛いんじゃないの?会社」
「……行きます。私は仕事は好きなので。辞めたくありません。
これからどんなに辛いことがあっても、乗り越えます。
辛くなったら、昨日のことを思い出して……」
名前も知らないあなたに、もっと自分を出していいって教えてもらったから。
昨日の自分より、今日の自分が好きって胸を張って言える。
「君は会社に行くって言うと思ったよ。
大丈夫、君ならできる」
今すぐ彼の胸に飛び込んで抱きつきたい。
20代だったら、そうしただろう。
でも、40代の私は、寄りかかるんじゃなくて、自分の足で立ちたい。
「雨宿り、ありがとうございました!」
深々と頭を下げて、そのまま彼の顔を見ずにその場から立ち去った。
外に出ると、嘘のように晴れていて
空気が澄んでいて、とても美味しく感じる。
「はぁ……」
まだ昨日の今日だから、身体中に彼の余韻が残っている。
元カレも会社の人も、すれ違う人も知らない。
私が、あんなに乱れた夜があったことを。
ワンナイト。
たった一夜の出来事。
新しい自分に彼のおかげで生まれ変われた。
でも、彼はきっとこう言うだろうな。
俺のおかげじゃない、自分がした決断の結果だって。
周りからしたら、名前も知らない男とワンナイト過ごすなんてと
思われるかもしれない。
だけど、私にとっては、人生で1番素敵な夜だった。
目を覚まして、隣で寝ている彼の顔を見つめた。
こうやって寝顔を見ていると子供っぽく見える。
長いまつげに高い鼻、滑らかな肌。
「ふふ、白髪がある」
完璧に見える彼の白髪が見えて、ちょっと嬉しかった。
今日、いや、昨日のことは
彼と私の秘密。
この秘密で、私は頑張れる。
「帰っちゃうの?」
身支度を整えて、帰ろうとした瞬間、
ベッドから起き上がっていた彼に尋ねられた。
そんな、子供っぽく言われたら…母性が出てしまう。
彼の顔を見たら、決心が鈍ると思って、そっと帰ろうと思ったのに……
「会社に行く前に着替えたくて。家はここから遠いので」
「辛いんじゃないの?会社」
「……行きます。私は仕事は好きなので。辞めたくありません。
これからどんなに辛いことがあっても、乗り越えます。
辛くなったら、昨日のことを思い出して……」
名前も知らないあなたに、もっと自分を出していいって教えてもらったから。
昨日の自分より、今日の自分が好きって胸を張って言える。
「君は会社に行くって言うと思ったよ。
大丈夫、君ならできる」
今すぐ彼の胸に飛び込んで抱きつきたい。
20代だったら、そうしただろう。
でも、40代の私は、寄りかかるんじゃなくて、自分の足で立ちたい。
「雨宿り、ありがとうございました!」
深々と頭を下げて、そのまま彼の顔を見ずにその場から立ち去った。
外に出ると、嘘のように晴れていて
空気が澄んでいて、とても美味しく感じる。
「はぁ……」
まだ昨日の今日だから、身体中に彼の余韻が残っている。
元カレも会社の人も、すれ違う人も知らない。
私が、あんなに乱れた夜があったことを。
ワンナイト。
たった一夜の出来事。
新しい自分に彼のおかげで生まれ変われた。
でも、彼はきっとこう言うだろうな。
俺のおかげじゃない、自分がした決断の結果だって。
周りからしたら、名前も知らない男とワンナイト過ごすなんてと
思われるかもしれない。
だけど、私にとっては、人生で1番素敵な夜だった。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


