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イケナイアソビ。
第7章 咎人-出逢い編-
当然、藤次郎には人を殺すつもりはないものの、少しでも相手を傷つけることができたならば少しはこの苛立ちもましになるだろうと思ったのだ。
しかし、男は慣れた調子で藤次郎の腕を掴んだ。
「こいつ、こうやって突然俺の刀を奪って殺そうとしてきたんだ!!」
若侍は尚も嘘を言い放つ。
藤次郎は苛立ち、若侍を睨みつける。同時に、接近した距離にある男の顔がはっきりと見て取れた。
男の片目は深い古傷で閉ざされているが、もう片方の目元は涼しく、十分に魅力的だった。すっと通った鼻筋に薄い唇。遊び人風の長髪は、けれども少しも嫌味がない。広い肩に引き締まった身体は着物を着ていてもわかる。彼には相手が誰であっても魅了する色香があった。
藤次郎は自分の置かれている立場を忘れ、男に釘付けだ。
「二十手前か? まあいい。事情はゆっくり聞くとしよう」
そして男もまた、藤次郎を窺っていたようだ。ぽつりとそう言うと、そのまま藤次郎を引っ張る。
そこで藤次郎は自分の置かれた立場を思い出し、慌てた。
「離せ! 何をするんだよ!!」
藤次郎が男の手を振り解こうとしても存外力が強く、振り解けない。
抵抗する藤次郎は男に引きずられるがまま、その場を後にした。

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