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イケナイアソビ。
第9章 僕はキュートな吸血鬼
(九)
今日は月曜日の午前九時すぎ。
聖亜男子高の制服を着た俺は、だけど学校には行っていない。
母さんや父さんには心配させたくなくて、制服を着て学校に行く素振りを見せているものの、それでも登校しないのは、先週の金曜日。
大好きなあの人に正体を知られたからだ。
『近づくな』と拒絶されたあの日から、登校する意味さえもなくした。
だって、大好きなあの人がいたから、食事の誘惑でいっぱいの学校もなんとか生活してこられた。
イヤだったんだ。
人間や動物を食材としか思わないこんな卑しい自分がーー。
果物や野菜。
俺だってみんなと同じものを食べたかった。
動物を飼って、一緒に散歩したり……明るい日差しの中で何も気負わずにただ安らぎに満ちた日々を送りたかった。
だけど、本質は代わらない。
所詮、俺は化け物で人間ではないから……。
「ねぇ、君。可愛 愛良ちゃん。だよね?」
公園のトイレで制服から普段着に着替えた俺はゲームセンターでも行こうかと人通りの少ない道を歩く。
その中で、突然声をかけられた。
「えっ?」
突然の名指しにびっくりして振り返れば、そこには見知らぬ男子が三人いた。
だけど彼らの服装はよく知ったものだ。ワイン色のネクタイに青のブレザー。それは聖亜男子高のもの。
名札はなく、名前がわからない。
彼らもきっと俺と同じで学校に行かないつもりなんだろう。
「今日はサボり? だったらさあ、一緒に遊ばない?」
彼らは口元に笑みを浮かべている。
彼らから感じる感情も、憎悪や妬みといったものが占めていた。
彼らと一緒にいるのはよくない。
本能がそう告げている。
だけど……。
今の俺にとってはどうでもよかった。
だって大好きな人に嫌われたんだ。
それに俺は吸血鬼だ。
人間とは違う。
たとえ傷つけられることになっても対処だって出来る自信はある。
だから彼らの誘いを断る理由もない。
食事にもありつけるし、ひとりで失恋を引きずって悶々と過ごすよりはずっといいだろう。

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