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イケナイアソビ。
第9章 僕はキュートな吸血鬼
(六)
ーーそして、運命の昼休憩。
一人目の先輩が一八点。
二人目の先輩は二〇点。
そして俺はーー。
先輩たちがスタミナ切れになる後半に、ツーポイントラインの外側からのショットで二ポイントを決めまくって二十二点で見事、先輩ふたりに勝利した。
まあそれもそのはずだよね。
なにせ先輩はふたりとも俺にたっぷり血を吸われ、貧血気味で勝負に挑んだんだから。
俺が二限目と三限目の移動時間の時、二人に会いに行ったのは血液をいただいて、身体の動きを鈍くするためだ。
そして俺はーーというと……二度の食事にありつき、体調はすこぶるいい。
そんな中で対戦するんだから、俺が勝つのは当然といえば当然だよね。
優を傷つけた仕返しだ。
これで俺が誰と付き合おうとふたりは完全に口を挟めない。
それどころか、唯一の誇れる自分たちのバスケが素人の――しかも年下に負けたんだ。
ふたりの面子は丸つぶれだ。
「バスケ部の先輩に勝つなんて凄いね愛良は」
「たまたま二人とも体調が悪かったからだよ、ラッキーだった」
俺と先輩との対決を見ていた優は安心したらしい。
微笑んでいた。
優の雰囲気からして、今は辛そうじゃない。
だけどこめかみにある絆創膏とさらに増えた唇の端にある絆創膏が目立つ。
「ごめんね、俺の所為で優に怪我をさせてしまった」
昨日に続いて今日も。
これじゃあ、優にとって俺は疫病神みたいだ。
「これくらい、どうっていうことないよ」
優はやっぱり優しい。俺が発端なのに怪我しても責めない。
「聞かないの? どうして昼休憩の時、俺が先輩たちを呼び出したのかって」
本当は、俺が先輩と会っていることなんて聞いてほしくない。だけど、もしかすると優にふしだらな奴だって思われているかもしれない。
たとえそれが吸血鬼が生きるための行為だとしても普通の人間はそんなことはしないわけで……。
だからこれは本当のことだけど、軽蔑されるのは辛い。
だって好きな人に嫌われたら、生きていけない。
俺は口の中に溜まる唾をゴクンと飲み込み、優の返事を待つ。
「ああ、そのことか。きっと愛良のことだ。クラスの誰かしらにラブレターを渡してくれとか頼まれたんでしょう? 愛良はお人好しさんだから」
優にはそういうふうに見えているんだ……。

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