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イケナイアソビ。
第9章 僕はキュートな吸血鬼

「ああっ、愛良ちゃん……」
「ん……俺が欲しい?」

「そりゃあ、もう! 今すぐにでも!」
 今にも吐精させたそうにビクビクと身体を震わせる先輩の首筋から牙を外して訊ねれば、先輩は大きく頷いた。

「だったら、試合に勝ったら俺の全部を先輩にあげる」
「そうか、愛良ちゃんが応援してくれているのなら、俺、頑張っちゃうぞ!!」

「うん、楽しみにしてるね」



 ……ふう。
 これで一人は終わった。あともうひとり。
 胸の前で拳を握っている先輩に背を向け、俺は次なるターゲットに移る。


 そして次の三限目の終わりの一五分休憩。

 俺はもうひとりの先輩のクラスへと向かった。

「先輩……」
 ここはトイレの前にある、ちょっと人目に付きにくい場所。
 ここでも上目遣いは欠かせない。

「愛良ちゃん? 悪いけど、試合に手加減はしないよ?」

「うん、だって俺、本当は先輩のものになりたいから……」
 さっきの先輩に言ったものと同じようなセリフ。
 口から出任せを言ったおかげでなんだか背中がむしゃくしゃするぜ。

「ーーっ、愛良ちゃんっ!!」
 こいつもやっぱり馬鹿だ。
 同じように俺に抱きついてきた。
 すかさず俺は先輩の首筋に牙を突きつけ、血液をいただく。
 先輩の手は、やっぱり俺の背中を撫で、それから下腹部へと移動する。

 生地の上から我が物顔で俺の陰茎を撫でる。
 その手がとても気持ち悪い。
 あまりにも不快すぎて思わず牙を外しそうになるけれど、それも優の為だとなんとか耐えることができた。


「愛良ちゃん……君を俺のものにしたいよ」
「じゃあこの続きは、先輩が勝負に勝ってからね? 俺、強い人が好きなの」
「ああ、あんな奴に俺が負けるわけないじゃないかっ!!」

「……ふふ、楽しみにしてる」
 自信満々な先輩に、にっこり微笑んでお別れした。


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